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新緑エコイメージ
優良賞
一般財団法人脱プラスチック新素材開発機構

地球環境と人々の健康を守る
脱プラスチック技術

脱プラスチックを実現し、環境と健康を守り、社会生活を革新する
高機能の完全生分解性複合新素材(MiCb)開発プロジェクト

日常生活で欠かせないプラスチックだが、近年は環境や健康に悪影響を与える可能性が指摘されている。プラスチックに代
わる、より安全な新素材の開発を目指す(一財)脱プラスチック新素材開発機構の取り組みを紹介しよう。

プラスチックがもたらす
環境と生態系への深刻な影響

※1

 食品の容器やビニール袋など、毎日の生活で目にしないことのほうが少ないプラスチック。経済産業省の「経済構造実態調査」によると、プラスチックは自動車や電気・電子機器、建材・建築設備、パイプ、日用雑貨、医療・衛生用品など幅広い分野で使われており、その市場規模(売上高)は4兆7,000億円(2022年)を超えている。
 非常に身近なプラスチック製品だが、その一方でプラスチックの環境や健康への影響に心配の声が上がっている。問題の一つが、生産されるプラスチックの大半が使い捨てで廃棄されることだ。国際連合広報センターが発表している資料によれば、世界で生産されているプラスチックの3分の2は使い捨てで、その中には分解されるまでに数百年を要し、生態系や人間の健康、経済にまで深刻な影響を及ぼしているものもある※2という。
 また、国連環境計画は、海洋ゴミの少なくとも85%がプラスチックによるもので、それによって海洋生物が脅威に曝され、人間にもその影響が広がっていることを警告している。世界の研究機関で医学専門家の具体的な警鐘として、微小プラスチックは体内で化学物質を放出し、ホルモンバランスの乱れや心血管疾患、アトピーなどの健康リスクを引き起こす可能性があることが報告※3されている。

※1健康リスクの詳細はhttps://note.com/datsupura を参照ください。
※2「 世界環境デー2023 プラスチック汚染をなくそう 実践ガイド」 国際連合広報センター
※3「FROM POLLUTION TO SOLUTION」 国連環境計画

健康リスクの詳細は
コチラをご確認ください。

QR

プラスチックに代わる
完全生分解の新素材を開発

 環境や健康にやさしいプラスチックとして、近年注目されているのが生分解性プラスチックだ。生分解性プラスチックは「生分解」という機能に着目した素材で、類似の素材として「原料」に着目した「バイオマスプラスチック」がある。生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックを総称して「バイオプラスチック」と呼ぶ。
 生分解性プラスチックは、その名の通り、微生物の働きによって分子レベルまで分解され、最終的に二酸化炭素と水になるプラスチックのこと。この生分解性プラスチックの分野において、「完全」に分解される新素材「CBCM/MiCb」の開発・展開を目指すのが、(一財)脱プラスチック新素材開発機構(以下、開発機構)だ。
 開発機構が手掛ける「CBCM/MiCb」は主要原材料の竹や貝殻パウダーに完全生分解する石油由来のPBAT、PBSとトウモロコシ等から作るPLAなどを独 自ブレンドし、多材質の完全生分解性バイオプラスチックと更にマイナスイオン電子をプラスして各種の機能性も付加したもの。2023年、日本において特許を、翌2024年には海外にて国際特許を出願している。
 生分解性については確かな結果が得られている。中国で実施された試験では90日間の生分解性が84%以上であること(基準は60%以上)、ベルギーの試験ではEUの基準である「EN 13432」や世界規格である「ISO 17088」を満たしていることが確認された。

生分解性試験①

生分解性試験①

90日の生分解性が84%(基準値は60%以上)、相対生分解性が92.7%(基準値は90%以上)であることが確認された。

生分解性試験②

生分解性試験②

Normec OWS社による生分解性確認試験。週を追うごとに顕著に分解される様子が確認された。

課題を乗り越え、
環境と健康を守る素材を広げる

 「CBCM/MiCb」は、高い生分解性に機能性を加えることで、使い捨て食器や農業資材、園芸用品にとどまらず、医療・介護用品や玩具など、さまざまな領域の製品に活用することが期待される。
 その一方で、社会実装に向けた課題も残されている。一つは素材が持つポテンシャルのさらなる研究開発だ。耐熱温度を向上させたり、耐久性や耐用期間を長くしたりするなどして、さまざまな工業用品に適応させることはできるか。あるいは分解速度を速めて、海中や水中での分解を促進できるかなど、追究すべき課題は多い。

 また、社会実装のための量産化も乗り越えなければならない壁だ。すでに農業業界や介護業界から多くの問い合わせが届いており、今後は日用雑貨や食品、医薬品、衣類、玩具などへの展開も期待できることから、販路の確立と拡大も待たれる。

 こうした現状を踏まえ、開発機構の宮城達夫代表理事は次のように述べている。
 「消費者が望んでいるのは、健康を含む生活の質向上、環境汚染の改善、ごみの削減、地球温暖化の解消です。これらのニーズに応えて持続可能なバイオプラスチックを普及させていくことが最も大切なこと。消費者が積極的に現在のプラスチックから脱プラスチックの生活に移行して、現在および将来の子どもたちが健康で快適な暮らしができる社会になるように尽力します」

CBCM/MiCb の展開分野

堆肥化可能な使い捨て食器(トレー、皿、ボウル、カップ、ナイフ、フォーク、スプーンなど)
房具、玩具、衛生設備
車・小型家電付属品
園芸用品、農業関連用品(ポット・フィルム類など)
鮮度維持包装材(袋、箱)
繊維(衣類、オムツ、生理用品)
医療・介護活用シーツやカーテン
発泡スチロール(壁材、箱、緩衝材) など

展示会のサンプル製品

展示会のサンプル製品

生分解の実演

生分解の実演

CBCM/MiCbの製品展開例
CBCM/MiCbの製品展開例

CBCM/MiCbの製品展開例

防カビ効果

防カビ効果、抗菌効果、保温効果、保湿効果、マイナスイオン効果など

清浄度

マイナスイオン効果や抗菌効果等により
室内空間の清浄度を上げて心地良い空間

代表理事

代表理事 宮城 達夫

近年になって、ようやくプラスチックの環境汚染や生態系や人体への影響が知られるようになってきました。多くの人が求めているのは地球と健康にやさしい、プラスチックに代わる新素材です。社会の要求に応える高機能かつ完全生分解性新素材と、それを活用した製品を製造・提供することで、地球規模で人々のニーズに応えてまいります。

一般財団法人 脱プラスチック新素材開発機構

〒101-0032 東京都千代田区岩本町3丁目1-5信丸ビル6階
TEL: 03-6661-1970  https://www.micb.or.jp

社会貢献事業グループ

神奈川県横浜市西区西戸部町3丁目252番地9

TEL:045-212-0170

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